30-11由来は切ない恋愛のストーリー!奥深い日本料理、鶏松風
日本料理の前菜やお節で見かける、鶏松風。
鶏挽肉に、けしの実を振って焼いた一品です。
シンプルな見た目ですが、それとは裏腹に、
この「鶏松風」という名前の背景には、
切ない恋愛のストーリーが隠されています。
それは、平安時代に遡るお話です。
須磨の浦の海岸で、一人の女性が、
二度と戻れない恋人を、都に送り出しました。
その後、女性は寂しさを紛らわす為に、
風に揺れる松の木を男性に見立てて踊り、
帰ることのない恋人を待ちます。
浜辺で風に吹かれながら、舞う女性の姿は、
一見すると楽しく華やかな風景に見えますが、
裏を返せばとても寂しいお話です。
この物語から「浦(裏)寂しい松(待つ)風の音」
という和歌が生まれます。
鶏の松風も表はけしの実で華やかに見えるのに、
裏返すと寂しい様子がこの話に共通することから
この名前がつけられました。
あまり目立たない印象の鶏松風ですが、
名前の背景を知れば、目を引く一品になりますね。
ここで鶏松風の作り方をご説明します。
<材料>
・鶏挽肉…200g
・長ネギ…10cm
・卵…1個
・パン粉…20g
・けしの実…適量
◇味噌…大さじ1と1/2
◇砂糖…大さじ1と1/2
◇みりん…小さじ2
◇酒…小さじ2
<作り方>
※下準備
・15×15cm程度の耐熱容器(オーブン可)に、
クッキングシートを引く。耐熱容器が無ければ、
アルミホイルで型を作り、油を塗っておく。
・オーブンは180℃に予熱しておく。
① ボールに、鶏挽肉、みじん切りにした長ネギ、
卵、パン粉、◇の調味料を入れて、
粘り気が出るまで、混ぜ合わせる。
② 耐熱容器に①を入れて、平らにならし、
表面に、けしの実をまんべんなくのせたら、
180℃のオーブンで20分ほど焼く。
※焼き色が付きすぎたり、焦げるようなら、
アルミホイルを上にかぶせる。
③ 中までしっかりと火が通ったら、
食べやすい大きさにカットする。
余った場合は、冷凍しておくこともできます。
お弁当のおかずや、晩酌のお供にも最適です。
お正月に限らず、ぜひ取り入れてみて下さい。