30-2 素材の味を楽しむ、離乳食からの学び
生後5~6か月頃から始まる離乳食。
生まれてはじめて口にする料理は、
食塩や醤油などの調味料を使用せず、
素材そのものの味に慣れることから始まります。
筆者も、子供の離乳食作りに励んでいます。
その中で、次第に感じるようになったことは、
素材の味とは、いったい何かという疑問。
家庭の食卓、特別な日の外食などにおいて、
素材の味が生きていると感じる料理に出会う事は、
少なくはなかったはずでした。
例えば、サラダやお刺身、焼き魚など…
確かに素材の味を楽しむことができます。
ですが、離乳食を作り、試食をしていると、
素材の味とはこういうものだったのかと、
これまでの概念を覆されました。
調理工程は、野菜や魚、お肉を柔らかく湯がき、
裏ごしをして、ペースト状にするという、
シンプルなものがほとんどです。
しかし、食材から引き出される甘み、
食材を煮た出汁の豊かな香りに驚かされます。
この、食材の良さを最大限に引き出せる
調理をすることこそが「素材の味を楽しむ」
ということではないでしょうか。
例えば、トマトは炙ることで甘みが増します。
そのトマトでスープを作ったり、
ソースにしてパスタに絡めたりすれば、
素材の味を最大限に楽しむことができるでしょう。
筆者はこれまで、味付けに頼りすぎてしまい、
せっかくの素材の味を隠してしまっていました。
知っているようで意外と知らない、
食材のそれぞれの特徴を生かす調理方法を学び、
素材の味を楽しみたいものですね。